長らくアトランティックに所属していたミルト・ジャクソンが
リヴァーサイドと契約したのは、1961年のことである。
移籍第1弾はそのころ同レーベルが売出しを計っていた
ウェス・モンメゴリーとの共演作になった。
いささかウェス・モンメゴリーがミルト・ジャクソンに歩み寄った作風に
なっているが、ある種ポップな(明朗なと言い換えるべき? )
ブルース・フィーリングを持った2人の相性は絶妙で
リヴァーサイド・ハウス・リズム・セクションとでも言うべき
ウィントン・ケリー~サム・ジョーンズ~フィリー・ジョー・ジョーンズの
快演もあいまって、聴き込んでも聴き流しても飽きのこない作りになっている。
「S.K.J.」でのミルト節とウェス節の連発、「ブルー・ロズ」でのフィリーの
バッキング、「ジングルズ」での“キメ”など、名場面を挙げると
すぐに日記記事が埋まってしまう。
楽器を持っただけでスイングするプレイヤーが集まると、単なるブルースコードを
やったとしても、これほどまでに説得力が生まれるのだ。
メンバー5人とも今はこの世にいない。
もうこうしたアルバムが作られる事はないだろうし
そんなものを求め得る時代でもないのかも知れない。
そう思うと、いっそこのアルバムが愛しくなってくる。
ハードバップ・イーラはジャズファンにとって永遠の夢なのだ。
バグス・ミーツ・ウェス!/ミルト・ジャクソン&ウェス・モンゴメリー
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ジャズアルバム紹介 バグス・ミーツ・ウェス!(フリーページ)に
加筆・修正を加え転載。
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